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本日の1冊 『断章のグリム 6 赤ずきん(下)』 [ライトノベル]

断章のグリム 6 赤ずきん(下)
僕たち人間とこの世界は、<神の悪夢>によって常に脅かされている。
神は実在する。全ての人間の意識の遥か奥、集合無意識の海の深みに、神は確かに存在している。
この概念上『神』と呼ばれるものに最も近い絶対存在は、僕ら人間の意識の遥か奥底で有史以来ずっと眠り続けている。眠っているから僕たちには全くの無関心で、それゆえ無慈悲で公平だ。
ある時、神は夢を見た。
神は全知なので、この世に存在するありとあらゆる恐怖を一度に夢に見てしまった。
そして神は全能なので、眠りの邪魔になる、この人間の小さな意識では見ることすらできないほどの巨大な悪夢を、切り離して捨ててしまった。捨てられた悪夢は集合無意識の海の底から泡となって、いくつもの小さな泡に分かれながら、上へ上へと浮かび上がっていった。
上へ―――僕たちの、意識へ向かって。
僕らの意識へと浮かび上がった<悪夢の泡>は、その『全知』と称される普遍性ゆえに僕らの意識に溶け出して、個人の抱える固有の恐怖と混じりあう。
そしてその<悪夢の泡>が僕らの意識より大きかった時、悪夢は器をあふれて現実へと漏れ出すのだ。
かくして神の悪夢と混じりあった僕らの悪夢は、現実のモノとなる。
神の悪夢の泡による異常現象、それを曰く<泡禍>と呼ぶ。

――以上、本文P16・17・26より引用――

断章のグリム 6 (6) (電撃文庫 こ 6-19)

断章のグリム 6 (6) (電撃文庫 こ 6-19)

  • 作者: 甲田 学人
  • 出版社/メーカー: メディアワークス
  • 発売日: 2007/12/10
  • メディア: 文庫

甲田学人さんの 『断章のグリム 6 赤ずきん(下)』 です。

以前書いた記事(2007/08/08 『断章のグリム』)では、物語について私なりに表現してみたのですが、読み返してみると特に背景などがわかりづらいように感じましたので、今回は冒頭、作品本文から引用させていただきました。
今巻のあらすじなどについては、ごめんなさい、いつものことですが、読んでみてのお楽しみと言うことでお願いします。

それにしても、いつもながら凄まじい<泡禍>です。
そしてその<泡禍>の執拗なまでの描写は、ねっとりとした恐怖をじっくりと読み手の心に浸透させ、読み手がこの世界から抜け出すことを許さないのです。
私、こういった、ある意味たちの悪い(?)文章が大好物なので、この巻もしっかり楽しませてもらいました。

物語はまだまだ続くものと思います。
はたして、次巻ではどんな陰惨な<泡禍>が描かれるのでしょうか。
今から楽しみです。(・・・悪趣味か?)



イラスト担当 三日月かけるさんのWS:MIDORIYASIKITEN
http://www002.upp.so-net.ne.jp/mikaduki/

甲田学人さんのWSやblogは見つけられませんでした。
どこかにあるのかなぁ・・・。


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